施設紹介
貴重な「特殊紙の歴史」に触れられる、特種東海製紙の施設「Pam」とは
みなさまとのコミュニケーションプレイス
特殊紙の研究開発活動の拠点から、さまざまな発信を行う
色彩・風合い豊かなファンシーペーパーや、高付加価値を付与した機能紙、産業の基盤を支える産業用紙、そして人々の生活と共にある家庭紙まで──特種東海製紙は1920年代から、さまざまな特殊紙の研究開発に注力してきました。
その一端を、みなさまにも実際にご覧いただける施設が「Pam」です。
2002年11月、当社は研究開発活動と営業販売支援活動の拠点としてPam(Paper and material)を開館しました。場所は静岡県駿東郡長泉町、当社の旧総合技術研究所・実験工場の跡地です。
Pamでは紙にまつわるさまざまな資料を展示しているほか、企画展を不定期に開催。日本における紙文化の伝承・情報発信を行うと同時に、みなさまとのコミュニケーションプレイスとして活用しています。
グラフィックデザイナー原弘氏の作品と資料、約30,000点をアーカイヴ
「Pam」の源流は、1980年代半ばの一連のできごとにあります。
1986年、昭和期の日本を代表するグラフィックデザイナーで当社の顧問だった原弘氏が死去されました。その後ご遺族から、原氏の手掛けた作品や、貴重なデザイン資料が寄贈されたのです。
時を同じくして、当社では紙に関する古今東西の歴史的資料を本格的に収集し始めていました。それらを展示する場の設立を目的として、社内に「資料館準備室」が設置されます。1991年のことでした。
資料館準備室の活動が、現在の「Pam」へとつながりました。
原弘氏の作品やデザイン資料は、Pamにて「原弘アーカイヴ」として保存されています。書籍やポスターなど約4,000点のデザイン作品をはじめ、スケッチや直筆原稿などの周辺資料、そして原弘氏自身が収集した国内外の書籍やポスター類などまで、収蔵点数はおよそ30,000点に及びます。
特殊紙の歴史や技術、多彩なサンプルに触れられる
「Pam」の建築設計を手掛けたのは、世界的に活躍する建築家・坂茂氏です。
三層吹き抜けのアトリウムをはさみ、南北に展示室を配置するA館と、旧実験工場建屋をリノベーションしたB館で構成されています。
A館は、当社のものづくりの技術・歩みをより深くご理解いただくためのテクニカル・ベーシスとなっています。
特種東海製紙の代表的な製品をご覧いただきながら、特殊紙の歴史や、製品に施された技術をご紹介しています。みなさまにご理解いただけるよう、展示や解説にさまざまな工夫をこらしました。
A館には大きくわけて4つの展示スペースがあります。
1つ目は、製品と紙づくりの技術に関するコンテンツを展開する「Technical Zone」。インタラクティブ技術を用いた、解説システムを導入しています。
2つ目は、現在、当社が製造している紙を用いた、さまざまな製品やサンプルをご覧いただける「Creative Zone」。
3つ目は、当社が長い歴史の中で製造してきた数千種の製品の中から、約300をアーカイヴとして保管・展示している「Basic Zone」。前回のコラム「特種東海製紙と高付加価値パッケージの歴史」でご紹介した品々も、このBasic Zoneでご覧いただくことができます。
そして4つ目は、当社の収蔵する紙資料の一部を展示している「Exhibition Zone」。奈良時代以降の経典や、国内外の貴重書、江戸時代の民具、現代のグラフィック作品など、様々なテーマで企画展を行っています。
当社は国内における文化財の保護保存用紙のパイオニアとして、Pamで資料保護を実践しています。 調湿紙・無酸紙などの自社製品を用い、紙の保護・保存について検証しながら紹介・展示を行っています。
B館は、マルチパーパス・ゾーンとして、展示会や新製品のプレゼンテーション、ワークショップの会場などとして利用されています。
特種東海製紙の昔と今、そして未来に触れられる「Pam」。お近くにお越しの際は、是非ご来館ください。心からお待ちいたしております。
※Pamのご見学は予約制となっております。
最新の情報はPamホームページ、または直接お問い合わせください。